メタボリックシンドロームに関連する食事・咀嚼・その他の歯科関連要因に関する検討
本研究の目的は,特定健診の問診項目に食事や口腔機能に関する内容を加えるとメタボリックシンドローム(Metabolic Syndrome;MetS)を判別するための説明力が高まるかを男女別に検討することである. 対象は平成24年度島根県邑南町の特定健診参加者(902名)のうち歯科調査に参加した869名(男性356名,女性513名,平均年齢±標準偏差:66.5±7.8歳)とした.調査項目は(1)年齢,特定健診問診項目,既往歴,(2)食事関連項目,(3)咀嚼関連項目,(4)その他の歯科関連項目とした.分析は男女を層別してMetS該当の有無についてクロス集計を行った後(1)~(4)の変数群を段階的に投...
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| Published in | 口腔衛生学会雑誌 Vol. 66; no. 4; pp. 389 - 398 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 口腔衛生学会
2016
日本口腔衛生学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0023-2831 2189-7379 |
| DOI | 10.5834/jdh.66.4_389 |
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| Summary: | 本研究の目的は,特定健診の問診項目に食事や口腔機能に関する内容を加えるとメタボリックシンドローム(Metabolic Syndrome;MetS)を判別するための説明力が高まるかを男女別に検討することである. 対象は平成24年度島根県邑南町の特定健診参加者(902名)のうち歯科調査に参加した869名(男性356名,女性513名,平均年齢±標準偏差:66.5±7.8歳)とした.調査項目は(1)年齢,特定健診問診項目,既往歴,(2)食事関連項目,(3)咀嚼関連項目,(4)その他の歯科関連項目とした.分析は男女を層別してMetS該当の有無についてクロス集計を行った後(1)~(4)の変数群を段階的に投入してロジスティック回帰分析(強制投入法)を行い,説明力の変化を観察した.続いてステップワイズ法により最適モデルを探索した. 男性では変数群(2),(3)を投入したことにより変数群(1)に比べて説明力は倍増し,ステップワイズ法で(1),(2),(3)群投入モデルで調理の工夫をしない人・咀嚼の客観的評価が低い人・現在歯数の少ない人でMetS該当者が有意に多かった.一方,女性では変数群(2),(3)の投入で男性ほどの説明力の上昇はみられず,ステップワイズ法で(1),(2)群投入モデルにおいて自ら調理をしない人でMetS該当者が有意に多かった. 結論として,MetSの判別に対して咀嚼関連項目の説明力の大きさに性差が認められ,女性に比べ男性において大きかった. |
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| ISSN: | 0023-2831 2189-7379 |
| DOI: | 10.5834/jdh.66.4_389 |