福岡市都市圏における小児救急搬送の現状
目的:重症小児患者の集約化や搬送システムの整備が求められているが,小児の地域単位の救急搬送統計は少ない。このため福岡市都市圏での小児救急搬送の検討を行った。対象・方法:平成21年1月1日~12月31日に福岡市都市圏(小児人口35万人)で救急搬送された小児患者を,救急隊傷病者搬送書を基に後方視的に重症度区分,照会回数,搬送医療機関などを集計・分析した。結果:搬送総数は7,895人で,重症の44%,心肺停止の39%は救命救急センターを有する施設へ搬送されていた。現場滞在時間15分未満達成率は88%,照会回数1回は89%で,いずれも全国平均を上回っていた。結論:福岡地域では小児重症患者の搬送先は短時...
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Published in | 日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 16; no. 2; pp. 64 - 69 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床救急医学会
30.04.2013
日本臨床救急医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1345-0581 2187-9001 |
DOI | 10.11240/jsem.16.64 |
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Summary: | 目的:重症小児患者の集約化や搬送システムの整備が求められているが,小児の地域単位の救急搬送統計は少ない。このため福岡市都市圏での小児救急搬送の検討を行った。対象・方法:平成21年1月1日~12月31日に福岡市都市圏(小児人口35万人)で救急搬送された小児患者を,救急隊傷病者搬送書を基に後方視的に重症度区分,照会回数,搬送医療機関などを集計・分析した。結果:搬送総数は7,895人で,重症の44%,心肺停止の39%は救命救急センターを有する施設へ搬送されていた。現場滞在時間15分未満達成率は88%,照会回数1回は89%で,いずれも全国平均を上回っていた。結論:福岡地域では小児重症患者の搬送先は短時間で決定され,救命救急センターを有する施設に集約される傾向が強く,適切な医療機関選定,搬送・受入体制は整備されていることが示唆された。今後,調査の継続および転帰調査を考慮する必要がある。 |
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ISSN: | 1345-0581 2187-9001 |
DOI: | 10.11240/jsem.16.64 |