コミュニケーションを通した認知症のアセスメント

高齢者施設においては, 職員と利用者間の交流が少ないことが示されており, その理由の一つとして忙しく動き回り作業をしていることに価値が置かれる課題志向型の文化の影響がある. また, 認知機能のアセスメントはケアプランの作成においても重要であるが, 正解や不正解のある質問により認知機能を評価することは, 利用者との関係性への影響に悪影響が出るのではないかという懸念から十分なアセスメントがなされていない可能性がある. 交流の促進と認知機能のアセスメントという2つの課題への対応として, 本論文では日常のコミュニケーションを通じて認知機能をアセスメントする手法について提案した. また, 認知機能障害を...

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Published in高齢者のケアと行動科学 Vol. 23; pp. 2 - 10
Main Author 大庭, 輝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年行動科学会 2018
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ISSN1880-3474
2434-0553
DOI10.24777/jsbse.23.0_2

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Summary:高齢者施設においては, 職員と利用者間の交流が少ないことが示されており, その理由の一つとして忙しく動き回り作業をしていることに価値が置かれる課題志向型の文化の影響がある. また, 認知機能のアセスメントはケアプランの作成においても重要であるが, 正解や不正解のある質問により認知機能を評価することは, 利用者との関係性への影響に悪影響が出るのではないかという懸念から十分なアセスメントがなされていない可能性がある. 交流の促進と認知機能のアセスメントという2つの課題への対応として, 本論文では日常のコミュニケーションを通じて認知機能をアセスメントする手法について提案した. また, 認知機能障害を踏まえたコミュニケーションの方法として, 特に社会的認知の問題を取り上げた. 最後に, エイジズムに基づくElder-speakの問題について指摘し, その対応法としてコミュニケーション技術に関する教育訓練を充実させることを提案した.
ISSN:1880-3474
2434-0553
DOI:10.24777/jsbse.23.0_2