地域在住高齢者における立位バランス能力と転倒関連要因に関する研究

〔目的〕本研究の目的は立位バランス能力の指標としてFunctional Reach(以下FR)値を測定し,地域在住高齢者におけるFR値の分布を明らかにすること,及び過去1年間の転倒回数・骨折の既往・転倒恐怖感といった転倒関連要因とFR値との関連を明らかにすることである。〔対象〕平成17年度の群馬県K町の基本健康診査時に,文書で同意が得られた65歳以上の住民489名(男226名,女263名)であった。〔方法〕リーチ測定器を用いFR検査を実施し,また,転倒関連要因は質問票により情報を得た。〔結果〕FR値は男女ともに年代の上昇とともに低下し,70歳以上では女性が男性に比べ有意に低下していた。FR値と...

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Published in理学療法科学 Vol. 23; no. 5; pp. 597 - 600
Main Authors 岡本, ミチ子, 新谷, 和文, 西脇, 祐司, 寺垣, 康裕, 菊池, 有利子, 武林, 亨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2008
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.23.597

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Summary:〔目的〕本研究の目的は立位バランス能力の指標としてFunctional Reach(以下FR)値を測定し,地域在住高齢者におけるFR値の分布を明らかにすること,及び過去1年間の転倒回数・骨折の既往・転倒恐怖感といった転倒関連要因とFR値との関連を明らかにすることである。〔対象〕平成17年度の群馬県K町の基本健康診査時に,文書で同意が得られた65歳以上の住民489名(男226名,女263名)であった。〔方法〕リーチ測定器を用いFR検査を実施し,また,転倒関連要因は質問票により情報を得た。〔結果〕FR値は男女ともに年代の上昇とともに低下し,70歳以上では女性が男性に比べ有意に低下していた。FR値と転倒回数の関係では,女性において過去1年間の転倒回数が3回以上の場合,0回と比較して有意なFR値の低下が見られた。これは,年齢,骨折既往,転倒恐怖感を調整しても同様であった。一方,FR値と骨折既往,転倒恐怖感との間には有意な関連がみられなかった。〔結語〕FR値は過去の多数回転倒と関連を認めたことから,転倒予防を目標とした地域保健の事業等で有効に活用できる可能性が示唆された。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.23.597