職場のソーシャル・キャピタルが看護職の予防的保健行動と病気対処行動に及ぼす影響

「I. 緒言」医療を支える看護職は, 育児や介護などの職務以外の活動に加え, 恒常的な長時間勤務や加齢に伴う身体の変化に対応しながら, 看護の質を低下させないように努力し看護ケアを提供している. 先行研究では睡眠障害, 喫煙, 疲労, 抑うつやストレス, 未検診等の看護職自身の健康問題に加え, 膝痛・腰痛や感染症等の労働安全衛生上の問題, 身体的変化による慢性疾患のリスクや視力をはじめとした感覚機能の低下による業務への支障等の年齢に伴う問題が明らかにされている. 海外文献では, 看護職が他者への最適なケアの提供が最優先となり, 健康を維持する生活は十分に認識しているにも関わらずその知識を自分の...

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Published in日本健康学会誌 Vol. 89; no. 1; pp. 3 - 14
Main Authors 宮崎, 有紀子, 田村, 香奈
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康学会 31.01.2023
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ISSN2432-6712
2432-6720
DOI10.3861/kenko.89.1_3

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Summary:「I. 緒言」医療を支える看護職は, 育児や介護などの職務以外の活動に加え, 恒常的な長時間勤務や加齢に伴う身体の変化に対応しながら, 看護の質を低下させないように努力し看護ケアを提供している. 先行研究では睡眠障害, 喫煙, 疲労, 抑うつやストレス, 未検診等の看護職自身の健康問題に加え, 膝痛・腰痛や感染症等の労働安全衛生上の問題, 身体的変化による慢性疾患のリスクや視力をはじめとした感覚機能の低下による業務への支障等の年齢に伴う問題が明らかにされている. 海外文献では, 看護職が他者への最適なケアの提供が最優先となり, 健康を維持する生活は十分に認識しているにも関わらずその知識を自分のセルフケアに活用していないと指摘されている. 看護職者の健康状態は, 医療安全対策の必須の評価項目である. 患者やその家族への最良の医療を提供する看護職者の健康維持は, 健全で安全な職場の推進が重要な課題である.
ISSN:2432-6712
2432-6720
DOI:10.3861/kenko.89.1_3