ハーブ・生薬・サプリメントの安全性確保とモニタリング手法

近年, ハーブ・生薬・サプリメント・健康食品などの消費が急速に増加してきている. それぞれが自分の健康に気遣ってのことと思われるが, 一方では「健康によい」あるいは「天然由来だから」とか「自然なものだから」という言葉に惑わされて, 無評価で摂取している例も少なくない. その背景には, 各種の情報がWeb上であふれ, 瞬く間に情報が広がることや, それらの製品がWeb上などで極めて容易に入手可能な状況になっていることがあると思われる. しかし「自然のものだから安全性が高い」というイメージだけが先行している状況や, 質や内容が吟味されていない情報の氾濫の中では, 有害事象を引き起こす可能性の高い物...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 128; no. 6; pp. 835 - 836
Main Authors 鳥居塚, 和生, 津谷, 喜一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.06.2008
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.128.835

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Summary:近年, ハーブ・生薬・サプリメント・健康食品などの消費が急速に増加してきている. それぞれが自分の健康に気遣ってのことと思われるが, 一方では「健康によい」あるいは「天然由来だから」とか「自然なものだから」という言葉に惑わされて, 無評価で摂取している例も少なくない. その背景には, 各種の情報がWeb上であふれ, 瞬く間に情報が広がることや, それらの製品がWeb上などで極めて容易に入手可能な状況になっていることがあると思われる. しかし「自然のものだから安全性が高い」というイメージだけが先行している状況や, 質や内容が吟味されていない情報の氾濫の中では, 有害事象を引き起こす可能性の高い物質を含んだ製品を知らずに購入し服用してしまう危険性が高い. またサプリメント・健康食品という枠の取り扱いであるため, 原料や表示などの品質を確保する上での問題点も残され健康被害や有害事象の発生が懸念される. 安全性確保のために様々なメディアからの情報を統合的にモニタリングし, 正しい情報や警告を発信することが, 薬学の果たすべき責務の1つといえる.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.128.835