椎間関節性腰痛の基礎

椎間関節包やその周囲組織には,痛覚伝達に関与する細径神経線維や侵害受容器が豊富に存在する.椎間関節の炎症により,受容器は長時間にわたり興奮し,機械的閾値が低下する.また,椎間関節の炎症は,神経根に波及し,後根神経節内のサイトカインの発現を増加させるとの報告がある.椎間関節に対する機械的有害刺激や,椎間関節の炎症あるいは椎間板変性に伴い発生する化学的有害刺激は,椎間関節および周囲組織に存在する侵害受容器を興奮させ,急性あるいは慢性腰痛の発生に関与しているものと思われる.また,椎間関節の変性や炎症は,神経根性疼痛の発生にも関与していることが推測される....

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Bibliographic Details
Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 13; no. 1; pp. 24 - 30
Main Author 山下, 敏彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2007
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ISSN1345-9074
1882-1863
DOI10.3753/yotsu.13.24

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Summary:椎間関節包やその周囲組織には,痛覚伝達に関与する細径神経線維や侵害受容器が豊富に存在する.椎間関節の炎症により,受容器は長時間にわたり興奮し,機械的閾値が低下する.また,椎間関節の炎症は,神経根に波及し,後根神経節内のサイトカインの発現を増加させるとの報告がある.椎間関節に対する機械的有害刺激や,椎間関節の炎症あるいは椎間板変性に伴い発生する化学的有害刺激は,椎間関節および周囲組織に存在する侵害受容器を興奮させ,急性あるいは慢性腰痛の発生に関与しているものと思われる.また,椎間関節の変性や炎症は,神経根性疼痛の発生にも関与していることが推測される.
ISSN:1345-9074
1882-1863
DOI:10.3753/yotsu.13.24