心臓カテーテル検査のための上肢固定用補助具の開発

患者の身体特性,安全性に配慮し,かつ作業者の取扱性にも配慮した心臓カテーテル検査時の上肢固定補助具の試作開発およびその検証を行なった.ウレタンフォームで手首を保持する手台を提案し,既存の人体寸法データベースと検査姿勢での手の寸法測定から手台設計値を検討した.その結果,(1)手台凹部幅40 mm,(2)手台凹部高20 mm,(3)手首保持部高35 mm,(4)正面斜面角度45°が設計値として得られた.これに基づいた試作品を検証した結果,遠位橈骨動脈アプローチでは,前腕と手掌がほぼ直線を形成する姿勢が取れており,橈骨動脈アプローチでは,手背が床面に設置することなく手首を持ち上げており,2種類の作業...

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Published in人間工学 Vol. 58; no. 4; pp. 157 - 162
Main Authors 藤原, 基芳, 北村, 拡, 安田, 府佐雄, 奥野, 渉, 奥山, 浩幸, 松岡, 敏生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人間工学会 15.08.2022
日本人間工学会
Subjects
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ISSN0549-4974
1884-2844
DOI10.5100/jje.58.157

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Summary:患者の身体特性,安全性に配慮し,かつ作業者の取扱性にも配慮した心臓カテーテル検査時の上肢固定補助具の試作開発およびその検証を行なった.ウレタンフォームで手首を保持する手台を提案し,既存の人体寸法データベースと検査姿勢での手の寸法測定から手台設計値を検討した.その結果,(1)手台凹部幅40 mm,(2)手台凹部高20 mm,(3)手首保持部高35 mm,(4)正面斜面角度45°が設計値として得られた.これに基づいた試作品を検証した結果,遠位橈骨動脈アプローチでは,前腕と手掌がほぼ直線を形成する姿勢が取れており,橈骨動脈アプローチでは,手背が床面に設置することなく手首を持ち上げており,2種類の作業に対して,補助具の機能として十分であることが確認できた.使用者の手のサイズや角度にフィットし,2種類のカテーテル作業を一つの小型の補助具でサポートする上肢固定補助具を提案した.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.58.157