アレルギー性疾患におけるヒスタミン研究の新展開

ここに記載されている総説は, 2010年3月28日に岡山で開催された日本薬学会第130年会でのシンポジウム「アレルギー性疾患におけるヒスタミン研究の新展開」という演題で行った発表のうち3演題の発表内容をまとめたものである. ヒスタミンは, 抗原-抗体反応により肥満細胞から遊離される即時型アレルギー反応の中心的なメディエーターの1つと考えられている. 遊離されたヒスタミンは, H1, H2, H3, H4受容体を介して浮腫, 平滑筋収縮, 分泌亢進, かゆみなどを誘発する. これまでに, アレルギー性疾患に対してヒスタミンH1受容体拮抗薬が臨床応用され, 即時型アレルギー反応におけるかゆみ, 浮...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 131; no. 2; p. 169
Main Authors 赤木, 正明, 福井, 裕行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.02.2011
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.131.169

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Summary:ここに記載されている総説は, 2010年3月28日に岡山で開催された日本薬学会第130年会でのシンポジウム「アレルギー性疾患におけるヒスタミン研究の新展開」という演題で行った発表のうち3演題の発表内容をまとめたものである. ヒスタミンは, 抗原-抗体反応により肥満細胞から遊離される即時型アレルギー反応の中心的なメディエーターの1つと考えられている. 遊離されたヒスタミンは, H1, H2, H3, H4受容体を介して浮腫, 平滑筋収縮, 分泌亢進, かゆみなどを誘発する. これまでに, アレルギー性疾患に対してヒスタミンH1受容体拮抗薬が臨床応用され, 即時型アレルギー反応におけるかゆみ, 浮腫等や, アレルギー性鼻炎においてある程度有効性を示してきたが, まだ満足できる状況ではない. 最近, ヒスタミンH4受容体が注目されるようになり, ヒスタミンH4受容体拮抗薬のアレルギー性疾患に対する臨床応用が考えられるようになってきている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.131.169