Epiconus syndromeを呈した8症例

胸腰椎移行部は脊髄と馬尾が混在し,同部位の障害によって脊髄上位・下位ニューロンの混在した症状を呈することがある.下肢の筋萎縮,筋力低下,腱反射の減弱および消失を特徴とするepiconus syndromeを呈した8症例について検討した.診断までの期間は1週間∼10年に及び,下位腰椎椎間板障害,変形性膝関節症と診断されていた例もあった.知覚障害はL4以下の領域にみられ,責任病巣はT10-11:1例,T11-12:2例,L1:3例,L1-2:2例であった.epiconus syndromeは,胸腰椎移行部に脊髄,円錐上部,円錐部,馬尾が隣接すること,個体間で脊髄円錐末端の高位が異なることより症状が...

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 7; no. 1; pp. 120 - 125
Main Authors 宮崎, 剛, 古沢, 修章, 吉澤, 今日子, 彌山, 峰史, 安念, 悟, 馬場, 久敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2001
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ISSN1345-9074
1882-1863
DOI10.3753/yotsu.7.120

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Summary:胸腰椎移行部は脊髄と馬尾が混在し,同部位の障害によって脊髄上位・下位ニューロンの混在した症状を呈することがある.下肢の筋萎縮,筋力低下,腱反射の減弱および消失を特徴とするepiconus syndromeを呈した8症例について検討した.診断までの期間は1週間∼10年に及び,下位腰椎椎間板障害,変形性膝関節症と診断されていた例もあった.知覚障害はL4以下の領域にみられ,責任病巣はT10-11:1例,T11-12:2例,L1:3例,L1-2:2例であった.epiconus syndromeは,胸腰椎移行部に脊髄,円錐上部,円錐部,馬尾が隣接すること,個体間で脊髄円錐末端の高位が異なることより症状が多彩である.また,L4神経根がT12-L1の脊髄実質より分枝することにより,知覚障害がL4以下に認められることも特徴である.胸腰椎移行部の病変を的確に把握し,早期に治療を行うことが重要と考えられた.
ISSN:1345-9074
1882-1863
DOI:10.3753/yotsu.7.120