腰椎椎間関節症に対する腰椎屈曲運動の効果

腰椎椎間関節症(以下,LFS)に対する腰椎屈曲運動の効果を,運動前に撮影した立位側面X線像と臥位最大伸展X線像から検討した.対象は神経根症状がなく,腰椎伸展時に疼痛が増強し,画像所見を考慮してLFSと診断し,腰椎屈曲運動を行った外来患者35名であった.運動の結果,腰痛が消失したものと軽減したものとを合わせると,88.6%に有効であった.立位側面X線像で比較すると,腰痛の消失,軽減,変化の順で,posterior projectionを除いて,伸展方向の角度が増加していた.効果のみられないものでは,腰椎の前弯が最初から増強していることが分かった.臥位最大伸展X線像で比較すると,腰痛が変化,軽減,...

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 8; no. 1; pp. 135 - 140
Main Authors 青木, 一治, 上原, 徹, 坪内, 俊二, 友田, 淳雄, 鈴木, 信治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2002
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ISSN1345-9074
1882-1863
DOI10.3753/yotsu.8.135

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Summary:腰椎椎間関節症(以下,LFS)に対する腰椎屈曲運動の効果を,運動前に撮影した立位側面X線像と臥位最大伸展X線像から検討した.対象は神経根症状がなく,腰椎伸展時に疼痛が増強し,画像所見を考慮してLFSと診断し,腰椎屈曲運動を行った外来患者35名であった.運動の結果,腰痛が消失したものと軽減したものとを合わせると,88.6%に有効であった.立位側面X線像で比較すると,腰痛の消失,軽減,変化の順で,posterior projectionを除いて,伸展方向の角度が増加していた.効果のみられないものでは,腰椎の前弯が最初から増強していることが分かった.臥位最大伸展X線像で比較すると,腰痛が変化,軽減,消失の順に可動域は増加しており,消失したものでは伸展可動域に余裕があった.このように臥位最大伸展で可動域が増す者は,屈曲運動の効果が得られる傾向にあった.
ISSN:1345-9074
1882-1863
DOI:10.3753/yotsu.8.135