病院救急車運用を主体とした病院救命士の展望

改正救急救命士法施行後,医療機関に勤務する救急救命士は年々増加傾向にあり,活躍の場が広がる一方で業務確立が課題となっている。メディカルコントロールの制約下でのみ能力を発揮する救急救命処置は,院内では医師から直接の指示を即時受けることが可能であるとともに,看護師や臨床研修医師などと職域が干渉する側面もある。救急救命処置は限定的ではあるが,プレホスピタル領域である病院救急車内をはじめとした現場活動においては,大いに力を発揮できる。当院では救急救命士を採用して10年が経過し,これまで病院救急車運用に注力してきた。救急救命管理料などを算定することで,救急車維持費用も補塡し,持続可能な運用を実現している...

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Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 28; no. 1; pp. 1 - 9
Main Authors 瀬之口, 真美, 竹内, 一貴, 内野, 正人, 原島, 健也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床救急医学会 28.02.2025
日本臨床救急医学会
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ISSN1345-0581
2187-9001
DOI10.11240/jsem.28.1

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Summary:改正救急救命士法施行後,医療機関に勤務する救急救命士は年々増加傾向にあり,活躍の場が広がる一方で業務確立が課題となっている。メディカルコントロールの制約下でのみ能力を発揮する救急救命処置は,院内では医師から直接の指示を即時受けることが可能であるとともに,看護師や臨床研修医師などと職域が干渉する側面もある。救急救命処置は限定的ではあるが,プレホスピタル領域である病院救急車内をはじめとした現場活動においては,大いに力を発揮できる。当院では救急救命士を採用して10年が経過し,これまで病院救急車運用に注力してきた。救急救命管理料などを算定することで,救急車維持費用も補塡し,持続可能な運用を実現している。病院救急車運用は病院に勤務する救急救命士の基盤的業務となりモチベーションにもつながるが,安全管理などの課題も依然存在する。今後はタスクシフト/シェア推進や地位向上を目指し,病院の一職員として運営に貢献したい。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.28.1