NIRSモニタリング下で急性期にCASを施行した脳梗塞の1例:症例報告

【目的】近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)による術中モニタリング下で急性期にcarotid artery stenting(CAS)を施行した頚部頚動脈狭窄症による脳梗塞の1例を報告する.【症例】右片麻痺および失語にて発症した76歳男性.頭部CTでは明らかな虚血性変化を認めなかったが,CT潅流画像では左中大脳動脈領域に広範囲にpenumbra領域を認めた.3D-CTAでは左内頚動脈起始部に高度狭窄を認めた.治療前はNIRSにて局所酸素飽和度の著明な左右差を認めた.前拡張後,ステントを留置した.ステント留置直後に左側の局所酸素飽和度が10%上昇したため,後拡張は施行せず手技を終了した.術後経...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJournal of Neuroendovascular Therapy Vol. 4; no. 3; pp. 164 - 170
Main Authors 加藤, 庸子, 廣瀬, 雄一, 定藤, 章代, 早川, 基治, 大村, 真弘, 田中, 鉄兵, 佐野, 公俊, 前田, 晋吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会 2010
日本脳神経血管内治療学会
Online AccessGet full text
ISSN1882-4072
2186-2494
DOI10.5797/jnet.4.164

Cover

More Information
Summary:【目的】近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)による術中モニタリング下で急性期にcarotid artery stenting(CAS)を施行した頚部頚動脈狭窄症による脳梗塞の1例を報告する.【症例】右片麻痺および失語にて発症した76歳男性.頭部CTでは明らかな虚血性変化を認めなかったが,CT潅流画像では左中大脳動脈領域に広範囲にpenumbra領域を認めた.3D-CTAでは左内頚動脈起始部に高度狭窄を認めた.治療前はNIRSにて局所酸素飽和度の著明な左右差を認めた.前拡張後,ステントを留置した.ステント留置直後に左側の局所酸素飽和度が10%上昇したため,後拡張は施行せず手技を終了した.術後経過は順調であった.【結論】急性期CASではNIRSの所見が術中の拡張手技のdecision makingに有用である.
ISSN:1882-4072
2186-2494
DOI:10.5797/jnet.4.164