MRIプラークイメージングに基づく頚動脈ステント留置術の治療成績

【目的】我々は頚部頚動脈狭窄症に対しMRIプラークイメージングによる検討を行ってきた.Black-blood法T1強調画像(BB-MRI)にて高信号を示しプラークボリュームの多いプラークを有する症例は頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting;CAS)ハイリスク症例と考え,頚動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy;CEA)を可能な限り施行することとしてきた.その方針に基づいたCASの治療成績につき後方視的に解析した.【方法】対象は,2002年9月より2010年3月の間,緊急をのぞく頚部頚動脈狭窄症に対して,術前にMRIプラークイメージングを施行し...

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Published inJournal of Neuroendovascular Therapy Vol. 6; no. 4; pp. 240 - 244
Main Authors 黒山, 貴弘, 半田, 明, 永田, 学, 小柳, 正臣, 鳥橋, 孝一, 佐藤, 宰, 定政, 信猛, 西, 秀久, 鳴海, 治, 吉本, 修也, 奥, 圭祐, 吉田, 和道, 山形, 専, 黒崎, 義隆, 岸田, 夏枝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会 2012
日本脳神経血管内治療学会
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ISSN1882-4072
2186-2494
DOI10.5797/jnet.6.240

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Summary:【目的】我々は頚部頚動脈狭窄症に対しMRIプラークイメージングによる検討を行ってきた.Black-blood法T1強調画像(BB-MRI)にて高信号を示しプラークボリュームの多いプラークを有する症例は頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting;CAS)ハイリスク症例と考え,頚動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy;CEA)を可能な限り施行することとしてきた.その方針に基づいたCASの治療成績につき後方視的に解析した.【方法】対象は,2002年9月より2010年3月の間,緊急をのぞく頚部頚動脈狭窄症に対して,術前にMRIプラークイメージングを施行しえたCAS 78症例.【結果】BB-MRIにて,プラーク全体の近傍筋組織に対する信号相対比(relative overall signal intensity;roSI)は平均1.20±0.31であった.roSI 1.5以上の著しい高信号を呈する病変は7病変(9.0%)であった.新規同側DWI陽性病変は23症例(37.1%)に認めた.術後30日以内の脳卒中,心筋梗塞および死亡は2例(2.7%)であった.【結論】術前に非侵襲的なMRIプラーク診断による精査を行うことで,CASハイリスク症例を選別し,より安全にCASを施行することができると考えられる.
ISSN:1882-4072
2186-2494
DOI:10.5797/jnet.6.240