わが国における遺伝性非ポリポーシス大腸癌の臨床的検討−文献的考察
2002 年までに報告されたアムステルダム基準に合致する本邦のHNPCC62 家系311 例について,臨床的検討を行った.対照の非家族性大腸癌と比較し,若年発症,右側結腸優位の発生,多発大腸癌および他臓器重複癌の頻度増加という臨床的特徴が明らかとなった.若年発症に関しては,世代を経るごとに若年化しており,遺伝的表現促進現象とも考えられた.重複癌に関しては,胃癌および子宮体癌をはじめとする小腸癌や腎盂・尿管癌などのHNPCC 関連腫瘍が多く,家系内発生腫瘍でも同様の傾向を示した....
Saved in:
Published in | 家族性腫瘍 Vol. 4; no. 1; pp. 42 - 48 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本家族性腫瘍学会
2004
家族性腫瘍研究会 一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会 The Japanese Society for Hereditary Tumors |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1346-1052 2189-6674 |
DOI | 10.18976/jsft.4.1_42 |
Cover
Summary: | 2002 年までに報告されたアムステルダム基準に合致する本邦のHNPCC62 家系311 例について,臨床的検討を行った.対照の非家族性大腸癌と比較し,若年発症,右側結腸優位の発生,多発大腸癌および他臓器重複癌の頻度増加という臨床的特徴が明らかとなった.若年発症に関しては,世代を経るごとに若年化しており,遺伝的表現促進現象とも考えられた.重複癌に関しては,胃癌および子宮体癌をはじめとする小腸癌や腎盂・尿管癌などのHNPCC 関連腫瘍が多く,家系内発生腫瘍でも同様の傾向を示した. |
---|---|
ISSN: | 1346-1052 2189-6674 |
DOI: | 10.18976/jsft.4.1_42 |