変形性顎関節症を伴う,下顎骨の後方位に起因する骨格性Ⅱ級症例に対して,前後2分割Le Fort Ⅰ型骨切り術およびオトガイ形成術を用いて外科的矯正歯科治療を行った1例
「緒言」顎変形症治療において, 治療結果の安定性を考慮し治療計画の立案を行うことが重要である. 骨格性II級を伴う顎変形症患者において, 下顎枝矢状分割術(Sagittal splitting ramus osteotomy;SSRO)を治療方針として下顎骨の前方移動術を行った患者では, 移動量の25%以上の後戻りを呈した患者の割合が, 26%であった. また, 他の報告では, 下顎骨の前方移動量の平均40%の後戻りが生じることが示されている. 骨格性II級患者における骨移動の安定性に関連する要因としては, 以下が報告されている. 一つは, 術中の下顎骨前方移動量である. 術後6か月の後戻り量...
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| Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 34; no. 1; pp. 5 - 16 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
2024
日本顎変形症学会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 0916-7048 1884-5045 |
| DOI | 10.5927/jjjd.34.5 |
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| Summary: | 「緒言」顎変形症治療において, 治療結果の安定性を考慮し治療計画の立案を行うことが重要である. 骨格性II級を伴う顎変形症患者において, 下顎枝矢状分割術(Sagittal splitting ramus osteotomy;SSRO)を治療方針として下顎骨の前方移動術を行った患者では, 移動量の25%以上の後戻りを呈した患者の割合が, 26%であった. また, 他の報告では, 下顎骨の前方移動量の平均40%の後戻りが生じることが示されている. 骨格性II級患者における骨移動の安定性に関連する要因としては, 以下が報告されている. 一つは, 術中の下顎骨前方移動量である. 術後6か月の後戻り量を術中の下顎骨の移動量から重回帰式を用いて推定した研究によると, 術中のポゴニオンの前方移動量が術後の後戻りを推定する変数として選択された. 二つめの安定性に関連する要因は, 進行性下顎頭吸収(Progressive Condylar Resorption:PCR)である. |
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| ISSN: | 0916-7048 1884-5045 |
| DOI: | 10.5927/jjjd.34.5 |