地域在住高齢者における現在歯数および義歯の使用状況・主観的評価とフレイルとの関連についての横断研究

フレイルと歯・口腔の健康との関連は疫学的に十分に解明されていない.今回われわれは,地域在住高齢者における現在歯数および義歯の使用状況・主観的評価とフレイルとの関連を明らかにすることを目的とする横断研究を実施した.79歳高齢者344人を解析対象とした.フレイルは,Study of Osteoporotic Fracture Criteria for Frailty を一部改変したものを用いて定義し,目的変数とした.説明変数には現在歯数および義歯の使用状況・主観的評価を用いた.そして両者の関連を性別,体格,および精神健康状態を共変量とするロジスティック回帰分析を用いて評価した.解析対象者におけるフ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 68; no. 2; pp. 68 - 75
Main Authors 葭原, 明弘, 山賀, 孝之, 宮﨑, 秀夫, 皆川, 久美子, 佐藤, 美寿々, 岩﨑, 正則, 小川, 祐司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 2018
日本口腔衛生学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.68.2_68

Cover

More Information
Summary:フレイルと歯・口腔の健康との関連は疫学的に十分に解明されていない.今回われわれは,地域在住高齢者における現在歯数および義歯の使用状況・主観的評価とフレイルとの関連を明らかにすることを目的とする横断研究を実施した.79歳高齢者344人を解析対象とした.フレイルは,Study of Osteoporotic Fracture Criteria for Frailty を一部改変したものを用いて定義し,目的変数とした.説明変数には現在歯数および義歯の使用状況・主観的評価を用いた.そして両者の関連を性別,体格,および精神健康状態を共変量とするロジスティック回帰分析を用いて評価した.解析対象者におけるフレイルの頻度は8.4%であった.現在歯数(1本増加ごとの調整済オッズ比[OR]=0.94,95%信頼区間[CI]= 0.90–0.99),現在歯数20本以上有すること(20本未満と比較した調整済OR=0.39,95%CI=0.15–0.97),義歯不使用(義歯使用者と比較した調整済OR=17.89,95%CI=5.00–64.32),主観的に義歯不具合の訴えがあること(訴えと比較した調整済OR=3.38,95%CI=1.01–11.27)はフレイルと有意に関連していた.本研究結果から,地域在住高齢者において現在歯数および義歯の使用状況・主観的評価はフレイルと有意に関連していることが示された.
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.68.2_68