岐阜県立多治見病院歯科口腔外科における顎矯正手術症例の検討

「緒言」顎矯正手術は, 顎口腔機能と形態的不調和の改善を目的に行われている. 近年, 術式や手術器具の改良により治療の安全性が向上し, 一般にも広く認知されるようになってきており, 手術件数は増加傾向にある. 今回, 当科における顎矯正手術の実態を把握し, より安全で質の高い治療を提供する体制を確立するため, 過去10年間の顎矯正手術について検討を行ったので, その概要を報告する. 「対象および方法」対象は, 2010年1月から2019年12月までの10年間に, 岐阜県立多治見病院歯科口腔外科を受診し, 顎変形症の診断のもと顎矯正手術を施行した208名である. 当科では, 2013年より顎矯正...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 31; no. 1; pp. 6 - 14
Main Authors 丹羽, 裕明, 初川(野田), 久美子, 木下, 路規, 柴田, 章夫, 河原, 康, 向井, 陽
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 2021
日本顎変形症学会
Subjects
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd.31.6

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Summary:「緒言」顎矯正手術は, 顎口腔機能と形態的不調和の改善を目的に行われている. 近年, 術式や手術器具の改良により治療の安全性が向上し, 一般にも広く認知されるようになってきており, 手術件数は増加傾向にある. 今回, 当科における顎矯正手術の実態を把握し, より安全で質の高い治療を提供する体制を確立するため, 過去10年間の顎矯正手術について検討を行ったので, その概要を報告する. 「対象および方法」対象は, 2010年1月から2019年12月までの10年間に, 岐阜県立多治見病院歯科口腔外科を受診し, 顎変形症の診断のもと顎矯正手術を施行した208名である. 当科では, 2013年より顎矯正手術にクリニカルパスを導入し, 術式に関わらず10日程度の入院期間を設定している. また原則として, 術後に手術室で抜管し, 術後の腫脹による気道閉塞のリスクに対応するため高度治療室 (HCU) にて術後管理を行い, 翌日以降に一般病棟へ転棟している.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd.31.6