ニューロフィラメント軽鎖は遺伝性ATTRアミロイドーシスの活動性マーカーとして有用か?―文献レビュー

遺伝性ATTR(ATTRv)アミロイドーシスは,トランスサイレチン(TTR)遺伝子の変異,全身へのアミロイド沈着,進行性のポリニューロパチーを特徴とする常染色体顕性遺伝疾患である.患者における疾患重症度の測定に使用されるスコアには,感度が不十分,日常的な実施が困難など問題点が多い.核酸医薬の第3相試験や実臨床エビデンスから,軸索の主要な構成タンパク質であるニューロフィラメント軽鎖(NfL)が,本症の疾患活動や治療効果判定のための有用な血液バイオマーカーであることが示されている.NfL濃度は年齢,体格指数,併存疾患などの影響を受けるため,患者個々の背景を十分考慮し,その意義を検討する必要がある....

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Published in臨床神経学 Vol. 65; no. 4; pp. 251 - 259
Main Authors 髙橋, 健太郎, 関島, 良樹, 植田, 光晴, 北岡, 裕章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2025
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-002063

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Summary:遺伝性ATTR(ATTRv)アミロイドーシスは,トランスサイレチン(TTR)遺伝子の変異,全身へのアミロイド沈着,進行性のポリニューロパチーを特徴とする常染色体顕性遺伝疾患である.患者における疾患重症度の測定に使用されるスコアには,感度が不十分,日常的な実施が困難など問題点が多い.核酸医薬の第3相試験や実臨床エビデンスから,軸索の主要な構成タンパク質であるニューロフィラメント軽鎖(NfL)が,本症の疾患活動や治療効果判定のための有用な血液バイオマーカーであることが示されている.NfL濃度は年齢,体格指数,併存疾患などの影響を受けるため,患者個々の背景を十分考慮し,その意義を検討する必要がある.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-002063