放射線治療を一時中断しその後完遂した頭頸部癌患者の支えについての検討――4事例へのインタビューより

放射線治療を一時中断しその後完遂した頭頸部癌患者4名に対する半構成的面接を通して、頭頸部癌患者の支えとなっているものについて質的に分析した。分析した結果得られたカテゴリをさらに、「放射線治療について」「有害事象について」「治療中断中の思い」「治療継続の支えになったもの」「治療完遂後について」に分類した。その結果、頭頸部癌患者の放射線治療を完遂するにあたり支えになったものは、「今までリンパに癌があったらもうだめだと思ったけど、治療ができると言われたから」という《治療が出来ることに対する希望》や《生きたいという思い》が大きかったと思われる。看護師は、患者が根底にもつ治療や生への思いを理解しながら、...

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Published in日本放射線看護学会誌 Vol. 4; no. 1; pp. 12 - 19
Main Authors 古城, 邦子, 川野, 範子, 松木, 麻美, 山口, 敬子, 土橋, 由美子, 上野, かおり
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本放射線看護学会 31.03.2016
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ISSN2187-6460
2433-5649
DOI10.24680/rnsj.4.1_12

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Summary:放射線治療を一時中断しその後完遂した頭頸部癌患者4名に対する半構成的面接を通して、頭頸部癌患者の支えとなっているものについて質的に分析した。分析した結果得られたカテゴリをさらに、「放射線治療について」「有害事象について」「治療中断中の思い」「治療継続の支えになったもの」「治療完遂後について」に分類した。その結果、頭頸部癌患者の放射線治療を完遂するにあたり支えになったものは、「今までリンパに癌があったらもうだめだと思ったけど、治療ができると言われたから」という《治療が出来ることに対する希望》や《生きたいという思い》が大きかったと思われる。看護師は、患者が根底にもつ治療や生への思いを理解しながら、有害事象に苦しみ治療を中断している間も患者が希望をもち続けられるよう支援していく必要があると考える。放射線治療を完遂するにあたり『患者の支え』となったものは「治したい」「生きたい」という患者の強い意志や「家族の存在・言葉」「同様の治療を受けている患者の存在・言葉」「看護師の対応」「医師の言葉」であった。
ISSN:2187-6460
2433-5649
DOI:10.24680/rnsj.4.1_12