腰椎に初発し,経過中に多発したLangerhans cell histiocytosisの1例

5歳,男児.プールで遊んだ後に急に腰痛を自覚し,歩行困難となり救急搬送となった.上位腰椎正中部に限局した圧痛を認めたが,腰椎Xpでは異常所見を認め得なかった.MRIでL2椎体に異常信号を,CTで骨折と腫瘍性病変を認めた.血液検査では好酸球とALPの上昇を認め,Langerhans cell histiocytosis(LCH)を第一に考えた.骨シンチではL2椎体のみに異常集積を認め,保存治療を行い受傷7週後に独歩退院した.受傷3ヵ月後のMRIでT5椎体に新たな骨折とCalv扁平椎を,Xpで頭蓋骨に径1cmのpunched-out lesionを認めた.頭蓋骨より生検術を施行しLangerhan...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 57; no. 1; pp. 68 - 73
Main Authors 佐藤, 陽昨, 竹内, 直英, 井原, 和彦, 楊, 昌憲, 菅, 尚浩, 八反田, 洋一, 河合, 浩二, 竹下, 都多夫, 島田, 信治, 大場, 寛, 別府, 達也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2008
Subjects
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.57.68

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Summary:5歳,男児.プールで遊んだ後に急に腰痛を自覚し,歩行困難となり救急搬送となった.上位腰椎正中部に限局した圧痛を認めたが,腰椎Xpでは異常所見を認め得なかった.MRIでL2椎体に異常信号を,CTで骨折と腫瘍性病変を認めた.血液検査では好酸球とALPの上昇を認め,Langerhans cell histiocytosis(LCH)を第一に考えた.骨シンチではL2椎体のみに異常集積を認め,保存治療を行い受傷7週後に独歩退院した.受傷3ヵ月後のMRIでT5椎体に新たな骨折とCalv扁平椎を,Xpで頭蓋骨に径1cmのpunched-out lesionを認めた.頭蓋骨より生検術を施行しLangerhans細胞の浸潤を認め,多病変のLCHと診断して化学療法(Ara-C,VCR,PSL)の適応となった.LCHは組織球増殖による骨融解病変であり,良性腫瘍だが時に多発する.自験例に文献的考察を加えて述べる.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.57.68