健康青年女性の咬合力と体力の関連

本研究は, 咬合力と体力との関連を明らかにすることを目的として, 特に疾患を有さず, 歯列に問題のない健康な若年女性79名を対象に, 咬合力の測定 (GM10) と文部科学省体力テスト (握力, 20mシャトルラン, 上体起し, 長座前屈, 立幅跳び, 反復横跳び) を実施した.さらに棒つかみ反応, 閉眼片足立ち時間を測定した.左右それぞれの実測最大値の平均値を最大咬合力とし, その分布の下位25パーセンタイル (45kgf, 441N) によって被験者を咬合力の強い群 (H) と弱い群 (L) に分i類して比較した. その結果, 強い咬合力の者は反応時間が短く, 強い握力であり, 全身持久力...

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Published in日本咀嚼学会雑誌 Vol. 18; no. 1; pp. 22 - 28
Main Author 石山, 育朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本咀嚼学会 31.05.2008
日本咀嚼学会
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ISSN0917-8090
1884-4448
DOI10.14858/soshaku1991.18.22

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Summary:本研究は, 咬合力と体力との関連を明らかにすることを目的として, 特に疾患を有さず, 歯列に問題のない健康な若年女性79名を対象に, 咬合力の測定 (GM10) と文部科学省体力テスト (握力, 20mシャトルラン, 上体起し, 長座前屈, 立幅跳び, 反復横跳び) を実施した.さらに棒つかみ反応, 閉眼片足立ち時間を測定した.左右それぞれの実測最大値の平均値を最大咬合力とし, その分布の下位25パーセンタイル (45kgf, 441N) によって被験者を咬合力の強い群 (H) と弱い群 (L) に分i類して比較した. その結果, 強い咬合力の者は反応時間が短く, 強い握力であり, 全身持久力も優れていることが示された.また, 咬合力は反応時間 (r=-0.271), 握力 (r=0.344), シャトルラン (r=0.245) および1日の最大歩数 (r=0.235) と有意な相関係数が認められた. 以上の結果から, 咬合力は体力レベルを評価する指標の一つとして使える可能性が示された.
ISSN:0917-8090
1884-4448
DOI:10.14858/soshaku1991.18.22