日本の非集積地における高齢発症遺伝性ATTRアミロイドーシスの早期診断のための提言

非集積地の高齢発症遺伝性ATTRアミロイドーシスは,臨床症状が多様かつ非特異的で,家族歴も確認できないことが多いため,多くの場合診断までに長期間を要する.近年,本症に対する疾患修飾療法が使用可能となり早期診断の必要性が一段と高まっている.通常,診断にはまず組織学的なアミロイド沈着の確認が必要だが,アミロイド検出率は生検を実施する医師の経験,知識,技術に大きく依存する.原因不明の末梢神経障害で本症を鑑別疾患に想起することが重要であり,本症が強く疑われる場合,鑑別診断を十分行った上でTTR遺伝子検査を組織学的検査に先行して実施することも許容されると考える....

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Published in臨床神経学 Vol. 64; no. 10; pp. 708 - 713
Main Authors 小池, 春樹, 植田, 光晴, 安東, 由喜雄, 関島, 良樹, 丸山サラディーニ, 恵子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2024
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-002002

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Summary:非集積地の高齢発症遺伝性ATTRアミロイドーシスは,臨床症状が多様かつ非特異的で,家族歴も確認できないことが多いため,多くの場合診断までに長期間を要する.近年,本症に対する疾患修飾療法が使用可能となり早期診断の必要性が一段と高まっている.通常,診断にはまず組織学的なアミロイド沈着の確認が必要だが,アミロイド検出率は生検を実施する医師の経験,知識,技術に大きく依存する.原因不明の末梢神経障害で本症を鑑別疾患に想起することが重要であり,本症が強く疑われる場合,鑑別診断を十分行った上でTTR遺伝子検査を組織学的検査に先行して実施することも許容されると考える.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-002002