Zona pellucidaドメインの TECTA 遺伝子変異により発症した非症候群性常染色体優性遺伝性難聴家系における聴力像の解析 : 特徴的な皿型オージオグラムの加齢性変化

要旨: 常染色体優性遺伝性難聴家系において遺伝学的検査をおこない, 本人と母に TECTA 遺伝子多型を同定した。 TECTA 遺伝子多型は zona pellucida ドメインに位置しており皿形のオージオグラムを呈することが多いと報告されている。 本人は皿形のオージオグラムを呈していたが, 母は高音障害型であった。 母の経時的なオージオグラムを解析すると, 54歳時には皿形のオージオグラムを呈しており, 加齢とともに高音域の聴力閾値が上昇して高音障害型となっていた。 一方, 母の中音域の難聴の進行度は0.5dB HL/年とほとんど進行していなかった。 これらのことより, zona pell...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 65; no. 2; pp. 145 - 151
Main Authors 三澤, 清, 中西, 啓, 西尾, 信哉, 宇佐美, 真一, 喜夛, 淳哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 28.04.2022
日本聴覚医学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.65.145

Cover

More Information
Summary:要旨: 常染色体優性遺伝性難聴家系において遺伝学的検査をおこない, 本人と母に TECTA 遺伝子多型を同定した。 TECTA 遺伝子多型は zona pellucida ドメインに位置しており皿形のオージオグラムを呈することが多いと報告されている。 本人は皿形のオージオグラムを呈していたが, 母は高音障害型であった。 母の経時的なオージオグラムを解析すると, 54歳時には皿形のオージオグラムを呈しており, 加齢とともに高音域の聴力閾値が上昇して高音障害型となっていた。 一方, 母の中音域の難聴の進行度は0.5dB HL/年とほとんど進行していなかった。 これらのことより, zona pellucida ドメインの TECTA 遺伝子変異でも,加齢とともに高音域の聴力閾値が上昇して高音障害型となる可能性が示唆された。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.65.145