J-STARTの現況と今後の課題

平成19年度から第3次対がん総合戦略研究事業(がん対策のための戦略研究:J-START)として症例集積を始めた本研究では,平成23年3月末までに超音波検診介入群38,313名(50.3%),非介入群37,883名(49.7%)を登録し,平成25年3月までにすべての登録受診者の2回目検診が終了の予定である。介入群,非介入群合わせた要精検率は10.6%,発見がん数は293件(発見率0.39%)と中間報告されている。研究のプライマリエンドポイントである感度,特異度,がん発見率の算出には,2回目受診時の中間期を含めたがん罹患率の把握や,2回目検診の未受診者に対する追跡調査が不可欠で,全国の研究参加施設...

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Published in日本乳癌検診学会誌 Vol. 22; no. 3; pp. 358 - 365
Main Authors 石田, 孝宣, 鈴木, 昭彦, 河合, 賢朗, 成川, 洋子, 大内, 憲明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会 2013
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ISSN0918-0729
1882-6873
DOI10.3804/jjabcs.22.358

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Summary:平成19年度から第3次対がん総合戦略研究事業(がん対策のための戦略研究:J-START)として症例集積を始めた本研究では,平成23年3月末までに超音波検診介入群38,313名(50.3%),非介入群37,883名(49.7%)を登録し,平成25年3月までにすべての登録受診者の2回目検診が終了の予定である。介入群,非介入群合わせた要精検率は10.6%,発見がん数は293件(発見率0.39%)と中間報告されている。研究のプライマリエンドポイントである感度,特異度,がん発見率の算出には,2回目受診時の中間期を含めたがん罹患率の把握や,2回目検診の未受診者に対する追跡調査が不可欠で,全国の研究参加施設の協力をいただきながらデータのブラッシュアップを継続中である。最終成績の公表は平成26年頃の予定である。乳房超音波検診の有効性の証明に興味が集中しがちであるが,J-STARTのもう一つの大きな目的である超音波検診の標準化(装置の標準化,所見診断の標準化,教育の標準化)の検証と,将来に向けた課題(要精検率上昇に対する対策,人員確保など)の克服も乳がん検診の未来像を描く上で重要な問題であり,J-STARTでの経験を踏まえた改善策を打ち出すことが求められている。
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.22.358