都道府県のがん検診精度管理委員会における乳がん検診の精密検査機関基準の現状

乳がん検診の精度に影響を与える精密検査施設の精度を向上させるため,都道府県における精密検査実施機関基準の現状を明らかにすることを目的に,日本乳癌学会と日本乳癌検診学会が策定した「乳がん検診の精密検査機関基準」についてのアンケートを都道府県・政令指定都市を対象に行った。回収率は,都道府県41/47 (87.2%)・政令指定都市15/20 (75.0%)で高かったが,乳がん部会の設置は,都道府県34/41 (82.9%)・政令指定都市2/15 (13.3%)で,政令指定都市ではほとんど設置されていないことがわかった。乳がん部会の開催頻度は,年1回が25/35 (71.4%),次いで1回未満の開催で...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本乳癌検診学会誌 Vol. 23; no. 2; pp. 207 - 212
Main Authors 大貫, 幸二, 大内, 憲明, 笠原, 善郎, 遠藤, 登喜子, 園尾, 博司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会 2014
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0918-0729
1882-6873
DOI10.3804/jjabcs.23.207

Cover

More Information
Summary:乳がん検診の精度に影響を与える精密検査施設の精度を向上させるため,都道府県における精密検査実施機関基準の現状を明らかにすることを目的に,日本乳癌学会と日本乳癌検診学会が策定した「乳がん検診の精密検査機関基準」についてのアンケートを都道府県・政令指定都市を対象に行った。回収率は,都道府県41/47 (87.2%)・政令指定都市15/20 (75.0%)で高かったが,乳がん部会の設置は,都道府県34/41 (82.9%)・政令指定都市2/15 (13.3%)で,政令指定都市ではほとんど設置されていないことがわかった。乳がん部会の開催頻度は,年1回が25/35 (71.4%),次いで1回未満の開催で,開催頻度は低いことも明らかとなった。精密検査機関名簿を作成し,受診者に明示しているのは20/41県(前回19/39)であった。日本乳癌検診学会と日本乳癌学会の精密検査実施機関基準は,知っているが39/41 (95.1%)で,前回22/39 (56.4%)から大きく改善したが,精密検査機関基準を決めているのは20/41(前回19/20)で変化なく,今後決める予定ありは3/17に過ぎなかった。精密検査機関基準を決めている20県についてもその内容は,「細胞診・針生検が可能」「マンモグラフィ装置の基準」「撮影技師の受講」は比較的高頻度に求められていたが,その他の項目を求めている県は少なく,精密検査実施機関の精度保証は危ういことが明らかとなった。今後,委員への意識向上を継続的に働きかけることが求められている。
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.23.207