「歯科における最新レーザー治療 -Er:YAGレーザーの応用-」の特集によせて

レーザーの歯科領域での応用範囲は, 口腔軟組織の切開・凝固といった外科的用途だけでなく, う蝕予防や歯の切削, 歯内治療や歯周治療, さらに口内炎, 象牙質知覚過敏症, 顎関節症などの疼痛緩和・治癒促進など多岐にわたっている. 現在, 歯科で使用されている主なレーザーは, 炭酸ガスレーザー, 半導体レーザー, Nd:YAGレーザーおよびEr:YAGレーザーの4種類であり, 近年, 装置の小型化, 低価格化が進んでいる. このうち, 1974年にZharikovらによって発振に成功したEr:YAGレーザー(波長2.94μm)の歯科領域での普及は目ざましく, 95年にはう蝕治療や軟組織の蒸散, 歯...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 32; no. 1; p. 15
Main Author 加藤, 純二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会 2011
日本レーザー医学会
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ISSN0288-6200
1881-1639
DOI10.2530/jslsm.32.15

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Summary:レーザーの歯科領域での応用範囲は, 口腔軟組織の切開・凝固といった外科的用途だけでなく, う蝕予防や歯の切削, 歯内治療や歯周治療, さらに口内炎, 象牙質知覚過敏症, 顎関節症などの疼痛緩和・治癒促進など多岐にわたっている. 現在, 歯科で使用されている主なレーザーは, 炭酸ガスレーザー, 半導体レーザー, Nd:YAGレーザーおよびEr:YAGレーザーの4種類であり, 近年, 装置の小型化, 低価格化が進んでいる. このうち, 1974年にZharikovらによって発振に成功したEr:YAGレーザー(波長2.94μm)の歯科領域での普及は目ざましく, 95年にはう蝕治療や軟組織の蒸散, 歯石除去について, 03年には歯周ポケットへの照射やポケット掻爬などについて厚生労働省の認可を受け, さらに08年にはう蝕治療, 10年からは歯石除去が保険適用となっている. 一方, 医科領域では皮膚科, 形成外科領域において, resurfacingやacne scarringなどに応用されているのみである.
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm.32.15