トリガーポイント注射

[要旨] トリガーポイント注射は, ペインクリニックで汎用されている治療手技であり, 比較的手技が容易で, 安全と考えられている. しかし, 実際にはさまざまな合併症を引き起こす危険性があり, 安易な施行は避けるべきである. 確実にトリガーポイントを捉えた上で, 正確な部位に薬液を注入することが重要である. 「はじめに」 兵頭は, 「昭和30年代半ばに, 背部痛を訴える術後患者で, 限局した圧痛部位への局所浸潤注射が奏効した経験から, ペインクリニックに興味を抱いた」としている. この兵頭が探索した圧痛部位こそがトリガーポイント(trigger point : TP)であり, その部位への局所...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 34; no. 7; pp. 947 - 951
Main Authors 白井, 達, 森本, 昌宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2014
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.34.947

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Summary:[要旨] トリガーポイント注射は, ペインクリニックで汎用されている治療手技であり, 比較的手技が容易で, 安全と考えられている. しかし, 実際にはさまざまな合併症を引き起こす危険性があり, 安易な施行は避けるべきである. 確実にトリガーポイントを捉えた上で, 正確な部位に薬液を注入することが重要である. 「はじめに」 兵頭は, 「昭和30年代半ばに, 背部痛を訴える術後患者で, 限局した圧痛部位への局所浸潤注射が奏効した経験から, ペインクリニックに興味を抱いた」としている. この兵頭が探索した圧痛部位こそがトリガーポイント(trigger point : TP)であり, その部位への局所浸潤注射がトリガーポイント注射(trigger point injection : TPI)である. TPIは, 筆者らのペインクリニックにおいても, 汎用している治療手技の一つであるが, その施行にあたっては, まずは確実にTPを捉えた上で, 正確な部位に薬液を注入することが重要となる.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.34.947