昏睡から2カ月後に橋中心髄鞘崩壊症の診断に至った1例

化学療法施行中に,突然の高ナトリウム血症,高血糖を生じ,昏睡状態となった78歳の男性の症例を経験した.血清ナトリウム値,血糖値が正常化した後も人工呼吸を必要とする昏睡状態が続き,保存的な加療を続けていたが,2カ月後に急速に意識レベルが改善した.MRI検査で橋中心髄鞘崩壊症の最終診断に至り,急変から114日後に転院となった.当初,本疾患は慢性的な低ナトリウム血症の急速な補正により生じるとされていたが,近年は急激な浸透圧変化が病因の主体である可能性が示唆されている.回復例も多く報告されており,積極的な早期診断が必要と考えられた....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 36; no. 4; pp. 429 - 433
Main Authors 塩田, 修玄, 福井, 健一, 中沢, 弘一, 原茂, 明弘, 足立, 裕史, 中村, 蓉子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2016
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.36.429

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Summary:化学療法施行中に,突然の高ナトリウム血症,高血糖を生じ,昏睡状態となった78歳の男性の症例を経験した.血清ナトリウム値,血糖値が正常化した後も人工呼吸を必要とする昏睡状態が続き,保存的な加療を続けていたが,2カ月後に急速に意識レベルが改善した.MRI検査で橋中心髄鞘崩壊症の最終診断に至り,急変から114日後に転院となった.当初,本疾患は慢性的な低ナトリウム血症の急速な補正により生じるとされていたが,近年は急激な浸透圧変化が病因の主体である可能性が示唆されている.回復例も多く報告されており,積極的な早期診断が必要と考えられた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.36.429