高齢者喉頭癌の治療戦略 -経口的手術の立場から

「はじめに」 経口的手術は内腔から病変を切除することで, アプローチのための構造破壊がなく, 原則気管切開が不要, 創部は自然上皮化させるため再建手術が不要といった特徴を持つ. 喉頭癌治療における経口的手術の適応はTis, T1-3とされており, 当施設では声門癌にtransoral laser micro-surgery (TLM), 声門上癌にtransoral videolaryngoscopic surgery (TOVS)を主にTis-T2, 一部のT3病変, 再発例はrT1-2病変に対して行い, これまで良好な治療成績を報告してきたが, 高齢者喉頭癌を対象とした検討はしていない....

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Published in喉頭 Vol. 33; no. 2; pp. 114 - 119
Main Authors 荒木, 幸仁, 塩谷, 彰浩, 宇野, 光祐, 冨藤, 雅之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 01.12.2021
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ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx.33.114

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Summary:「はじめに」 経口的手術は内腔から病変を切除することで, アプローチのための構造破壊がなく, 原則気管切開が不要, 創部は自然上皮化させるため再建手術が不要といった特徴を持つ. 喉頭癌治療における経口的手術の適応はTis, T1-3とされており, 当施設では声門癌にtransoral laser micro-surgery (TLM), 声門上癌にtransoral videolaryngoscopic surgery (TOVS)を主にTis-T2, 一部のT3病変, 再発例はrT1-2病変に対して行い, これまで良好な治療成績を報告してきたが, 高齢者喉頭癌を対象とした検討はしていない. 一方. 高齢者の頭頸部癌治療は治療期間が短く侵襲も周術期のみの手術が選択されることが望ましいとされている. そこで本稿では高齢者喉頭癌治療に対して経口的手術の立場から, 当施設でこれまで経口的手術を施行してきた高齢者のチャートレビューを行い, 経口的手術の適応や留意点を明らかにする.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx.33.114