P1-013 ヒトTNFα+IL-6誘導性破骨細胞様細胞の遺伝子発現の解析

  【目的】関節リウマチは全身性自己免疫疾患であり,炎症性サイトカインが関節破壊において重要な役割を演じている.我々はマウス骨髄単球またはヒトCD14陽性単球をTNFα+IL-6で刺激することにより破骨細胞の特徴を呈する骨吸収細胞(破骨細胞様細胞)が誘導されることを報告した.今回,ヒトTNFα+IL-6誘導性破骨細胞様細胞(OLCs)と従来のRANKL誘導性破骨細胞(OCs)の遺伝子発現を比較解析した.【方法】ヒトCD14陽性単球をTNFα+IL-6またはRANKLで刺激し,サイトカインまたは破骨細胞関連遺伝子などのmRNA発現レベルを定量的PCR法で解析した.培養上清中の蛋白はELISA法で...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 38; no. 4; p. 315a
Main Authors 横田, 和浩, 佐藤, 浩二郎, 秋山, 雄次, 相崎, 良美, 三村, 俊英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2015
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.38.315a

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Summary:  【目的】関節リウマチは全身性自己免疫疾患であり,炎症性サイトカインが関節破壊において重要な役割を演じている.我々はマウス骨髄単球またはヒトCD14陽性単球をTNFα+IL-6で刺激することにより破骨細胞の特徴を呈する骨吸収細胞(破骨細胞様細胞)が誘導されることを報告した.今回,ヒトTNFα+IL-6誘導性破骨細胞様細胞(OLCs)と従来のRANKL誘導性破骨細胞(OCs)の遺伝子発現を比較解析した.【方法】ヒトCD14陽性単球をTNFα+IL-6またはRANKLで刺激し,サイトカインまたは破骨細胞関連遺伝子などのmRNA発現レベルを定量的PCR法で解析した.培養上清中の蛋白はELISA法で測定し,培養細胞の蛋白発現は免疫蛍光染色法で確認した.【結果】OLCsはOCsと比し,IL-1βの発現が有意に高値であった.また,IL-1β刺激はOLCsの分化誘導を強く促進させた.一方,OCsはOLCsと比し,cathepsin Kの発現が有意に高値であった.【結語】OLCsとOCsでは遺伝子発現に違いが認められた.特にIL-1β, cathepsin Kにおいて発現に大きな違いがあり,同様の機能を持つ異なる細胞群と考えられた.また,OLCsからのIL-1β産生はこの細胞の分化誘導を促進させることが示唆された.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.38.315a