P2-064  NLRP3体細胞モザイクを認めたMuckle-Wells症候群の2例

Cryopyrin-associated periodic syndrome(CAPS)は細胞内のパターン認識受容体として自然免疫に関わるNLRP3遺伝子(蛋白Cryopyrin)の異常に基づく周期熱症候群である.本疾患群には,家族性寒冷蕁麻疹(familial cold autoinflammatory syndrome, FCAS),Muckle-Wells症候群(MWS),CINCA症候群(chronic infantile neurologic cutaneous articular syndrome)が含まれる.軽症型のFCASから最重症であるCINCA症候群へと一連の疾患群として捉...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 35; no. 4; p. 358b
Main Authors 小田, 紘嗣, 河合, 利尚, 西小森, 隆太, 小原, 收, 日衛嶋, 栄太郎, 河合, 朋樹, 中川, 権史, 平家, 俊男, 堀, 雅之, 井澤, 和司, 中畑, 龍俊, 吉岡, 耕平, 斎藤, 潤, 阿部, 純也, 八角, 高裕, 武井, 修治, 土方, 敦司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2012
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.35.358b

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Summary:Cryopyrin-associated periodic syndrome(CAPS)は細胞内のパターン認識受容体として自然免疫に関わるNLRP3遺伝子(蛋白Cryopyrin)の異常に基づく周期熱症候群である.本疾患群には,家族性寒冷蕁麻疹(familial cold autoinflammatory syndrome, FCAS),Muckle-Wells症候群(MWS),CINCA症候群(chronic infantile neurologic cutaneous articular syndrome)が含まれる.軽症型のFCASから最重症であるCINCA症候群へと一連の疾患群として捉えることができる.CAPSは常染色体優性遺伝と考えられているが,特にCINCA症候群おいては弧発症例が多い. 最近,我々はダイレクトシーケンスにて変異陰性のCINCA症候群の約70%がNLRP3体細胞モザイクで発症することを国際多施設共同研究で示した.CINCA症候群以外のCAPSにおいてもNLRP3体細胞モザイクが病因となる可能性が推定され,検査を施行したところ,最近2例のMWSにおいてNLRP3体細胞モザイクを認めた.症例1は12歳男児で変異アリル率,35.1%のp.Ile334Val変異を認めた.両親の検索において同変異を認めず,de novo変異であると考えられた.症例2は15歳女児で変異アリル率,約5.6%のp.Glu567Lys変異を認めた.両親の検索は未施行である.臨床的にMWSが疑われる症例においてもダイレクトシーケンスにおいてNLRP3変異が認められない際にはNLRP3体細胞モザイクの検索が必要と考えられた.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.35.358b