磁気刺激による末梢性顔面神経麻痺の診断
「1. はじめに」Bell麻痺やHunt症候群などの急性末梢性顔面神経麻痺は早期診断早期治療が原則である. 適切な治療法を選択するためには, 発症早期に障害の程度を正確に把握する必要がある. 障害程度の診断法には顔面運動採点法などの検査法もあるが, 電気刺激により障害部位より末梢で起こるWaller変性の有無や程度を調べることが, 最も正確な障害程度の診断法である. しかし, 神経興奮性検査(NET)やelectroneurography(ENoG)など従来の電気生理学的検査法では障害部位より末梢で神経刺激を行うため, 顔面神経の変性が末梢の刺激部位で完成する以前(発症7~10日以内)には,...
Saved in:
Published in | Equilibrium Research Vol. 67; no. 1; pp. 51 - 57 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
2008
日本めまい平衡医学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0385-5716 1882-577X |
DOI | 10.3757/jser.67.51 |
Cover
Summary: | 「1. はじめに」Bell麻痺やHunt症候群などの急性末梢性顔面神経麻痺は早期診断早期治療が原則である. 適切な治療法を選択するためには, 発症早期に障害の程度を正確に把握する必要がある. 障害程度の診断法には顔面運動採点法などの検査法もあるが, 電気刺激により障害部位より末梢で起こるWaller変性の有無や程度を調べることが, 最も正確な障害程度の診断法である. しかし, 神経興奮性検査(NET)やelectroneurography(ENoG)など従来の電気生理学的検査法では障害部位より末梢で神経刺激を行うため, 顔面神経の変性が末梢の刺激部位で完成する以前(発症7~10日以内)には, 神経障害の程度を正確に評価することは困難であった1). 近年, 経頭蓋的磁気刺激(transcranial magnetic stimulation:TMS)による頭蓋内顔面神経の非侵襲的刺激が可能となった2)~8)ことにより, 障害部位より中枢側で顔面神経を刺激することが可能となった. |
---|---|
ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.67.51 |