I-1.急性膵炎の薬物療法

「急性膵炎診療ガイドライン」における「薬物療法」の中では,急性膵炎に対する鎮痛,予防的抗菌薬投与,予防的抗真菌薬投与,蛋白分解酵素阻害薬の経静脈的投与,ヒスタミンH2受容体拮抗薬投与の5項目でCQが挙げられている.今回「ガイドライン2015」における「ガイドライン2010」からの改訂点について述べた.急性膵炎に対する予防的抗菌薬投与の有効性について,多くの報告が否定的な見解を示しているが,今回ガイドライン委員会のメタ解析グループは独自にメタ解析を行い,その結果に基づき推奨文を作成した.重症例に対する蛋白分解酵素阻害薬の大量持続的静脈内投与の有効性は,大規模な質の高いRCTによるさらなる議論が必...

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Published in膵臓 Vol. 30; no. 6; pp. 733 - 740
Main Authors 伊藤, 鉄英, 河邉, 顕, 急性膵炎診療ガイドライン2015改訂出版委員, 五十嵐, 久人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 2015
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.30.733

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Summary:「急性膵炎診療ガイドライン」における「薬物療法」の中では,急性膵炎に対する鎮痛,予防的抗菌薬投与,予防的抗真菌薬投与,蛋白分解酵素阻害薬の経静脈的投与,ヒスタミンH2受容体拮抗薬投与の5項目でCQが挙げられている.今回「ガイドライン2015」における「ガイドライン2010」からの改訂点について述べた.急性膵炎に対する予防的抗菌薬投与の有効性について,多くの報告が否定的な見解を示しているが,今回ガイドライン委員会のメタ解析グループは独自にメタ解析を行い,その結果に基づき推奨文を作成した.重症例に対する蛋白分解酵素阻害薬の大量持続的静脈内投与の有効性は,大規模な質の高いRCTによるさらなる議論が必要である.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.30.733