各科手術での使用:整形外科・形成外科手術─区域麻酔との関連性

整形外科および形成外科手術の麻酔管理においてもデスフルランの使用頻度は高い.他の揮発性吸入麻酔薬同様にデスフルランには鎮痛効果がないため,麻酔維持中はオピオイド鎮痛薬あるいは局所浸潤,区域麻酔の併用が必要である.オピオイド鎮痛薬の併用は術後の嘔気・嘔吐の原因となるため,可能な限り局所浸潤,区域麻酔を併用すべきである.デスフルランが推奨される場面は,術中・術後の神経学的評価が必要な脊椎手術,術後認知機能障害が問題となる高齢者の大腿骨頸部骨折手術などである.小児では,脊椎手術以外の整形外科手術でのデスフルランの有用性は少ない.日帰り手術が可能な形成外科手術においてデスフルランは有用な選択肢である....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 36; no. 5; pp. 615 - 619
Main Author 山口, 重樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2016
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.36.615

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Summary:整形外科および形成外科手術の麻酔管理においてもデスフルランの使用頻度は高い.他の揮発性吸入麻酔薬同様にデスフルランには鎮痛効果がないため,麻酔維持中はオピオイド鎮痛薬あるいは局所浸潤,区域麻酔の併用が必要である.オピオイド鎮痛薬の併用は術後の嘔気・嘔吐の原因となるため,可能な限り局所浸潤,区域麻酔を併用すべきである.デスフルランが推奨される場面は,術中・術後の神経学的評価が必要な脊椎手術,術後認知機能障害が問題となる高齢者の大腿骨頸部骨折手術などである.小児では,脊椎手術以外の整形外科手術でのデスフルランの有用性は少ない.日帰り手術が可能な形成外科手術においてデスフルランは有用な選択肢である.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.36.615