嫌悪刺激の反復暴露に伴う不安反応の時系列変化に関する研究

本研究は, 嫌悪刺激の反復暴露にともなう不安反応の変化と抑制作用との関係について検討することを目的とした.被験者はByrneのRSスケールを用いて分類し, sensitizer (S) を6名, represser (R) を6名用いた.実験試行は, 予期期間1分からなり, 嫌悪刺激である電撃を10mAの強さで, 1秒間与えた.電撃の到来は, 数字のカウソトダウンにより継時的に予告した.実験試行は数分間隔で10回反復した.不安の測度として心拍数を用いた.得られた結果は, 以下の通りであった. (1) 不安の時系列変化成分を因子分析により抽出した結果, 3因子が抽出できた. (2) 反復数が増え...

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Published in生理心理学と精神生理学 Vol. 8; no. 1; pp. 1 - 7
Main Author 岩永, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理心理学会 1990
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ISSN0289-2405
2185-551X
DOI10.5674/jjppp1983.8.1

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Summary:本研究は, 嫌悪刺激の反復暴露にともなう不安反応の変化と抑制作用との関係について検討することを目的とした.被験者はByrneのRSスケールを用いて分類し, sensitizer (S) を6名, represser (R) を6名用いた.実験試行は, 予期期間1分からなり, 嫌悪刺激である電撃を10mAの強さで, 1秒間与えた.電撃の到来は, 数字のカウソトダウンにより継時的に予告した.実験試行は数分間隔で10回反復した.不安の測度として心拍数を用いた.得られた結果は, 以下の通りであった. (1) 不安の時系列変化成分を因子分析により抽出した結果, 3因子が抽出できた. (2) 反復数が増えるにつれ, 不安表出のトレソド的な変化成分が減少し, 細かな変動成分に移行することがわかった. (3) 防衛機制の違いにより不安のみられ方が異なり, represserでは嫌悪刺激直前で不安の抑圧がみられた.
ISSN:0289-2405
2185-551X
DOI:10.5674/jjppp1983.8.1