誤嚥性肺炎を認めた逆流性食道炎・食道裂孔ヘルニア患者に対する外科治療;腹腔鏡下逆流防止術の有用性

「はじめに」近年の高齢化社会に伴い誤嚥性肺炎を繰り返すことが原因で長期入院やADLの低下を認める患者が増加している. その中には胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease: GERD)や食道裂孔ヘルニアが誤嚥の原因である場合も報告されている. このような症例は腹腔鏡下逆流防止術(Laparoscopic antireflux surgery: LARS)の適応であるが, GERDに対する本手術は本邦ではまだ一般的ではなく, ADLの低下した高齢者にはほとんど行われていないのが現状である. われわれの施設では, 逆流が誤嚥性肺炎の原因でありLARSを行わなければ...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 10; no. 4; pp. 182 - 185
Main Authors 中村, 慶春, 野村, 務, 松谷, 毅, 藤田, 逸郎, 金沢, 義一, 宮下, 正夫, 岩切, 勝彦, 内田, 英二, 萩原, 信敏, 川見, 典之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2014
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ISSN1349-8975
1880-2877
DOI10.1272/manms.10.182

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Summary:「はじめに」近年の高齢化社会に伴い誤嚥性肺炎を繰り返すことが原因で長期入院やADLの低下を認める患者が増加している. その中には胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease: GERD)や食道裂孔ヘルニアが誤嚥の原因である場合も報告されている. このような症例は腹腔鏡下逆流防止術(Laparoscopic antireflux surgery: LARS)の適応であるが, GERDに対する本手術は本邦ではまだ一般的ではなく, ADLの低下した高齢者にはほとんど行われていないのが現状である. われわれの施設では, 逆流が誤嚥性肺炎の原因でありLARSを行わなければ長期入院を余儀なくされるような症例に対して積極的に手術を行い, 退院や社会復帰が可能となるなどの良好な結果を得ている. 当施設におけるストラテジーを示すとともにその有用性を報告する. 「適応と術式」「(1) 手術適応となる患者」GERDが原因で誤嚥性肺炎を繰り返す患者が適応となる.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.10.182