ECMO離脱困難な心原性ショック・重症心不全症例に対する治療戦略
当院では,心原性ショック・心停止に対してV-A ECMO(extracorporeal membrane oxygenation)開始後,早期離脱が困難な症例に対しては,多臓器不全への進展の回避を目的に,機を逸することなくVAD(ventricular assist device)またはcentral ECMOを導入する方針としている.最近5年間に心原性ショックに対してV-A ECMO導入となった69例の転帰は,ECMO離脱22例(31.9%),VADまたはcentral ECMO導入16例(23.2%),離脱できず死亡31例(44.9%)であった.肺うっ血,右心不全,他の臓器不全の有無に応じ...
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Published in | 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 39; no. 2; pp. 142 - 147 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床麻酔学会
15.03.2019
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Subjects | |
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ISSN | 0285-4945 1349-9149 |
DOI | 10.2199/jjsca.39.142 |
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Summary: | 当院では,心原性ショック・心停止に対してV-A ECMO(extracorporeal membrane oxygenation)開始後,早期離脱が困難な症例に対しては,多臓器不全への進展の回避を目的に,機を逸することなくVAD(ventricular assist device)またはcentral ECMOを導入する方針としている.最近5年間に心原性ショックに対してV-A ECMO導入となった69例の転帰は,ECMO離脱22例(31.9%),VADまたはcentral ECMO導入16例(23.2%),離脱できず死亡31例(44.9%)であった.肺うっ血,右心不全,他の臓器不全の有無に応じて,最適な施行方法を選択した結果,生存例では急性期の臓器障害を脱し長期補助への移行が可能であった. |
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ISSN: | 0285-4945 1349-9149 |
DOI: | 10.2199/jjsca.39.142 |