P2-35 TNFAIP3パプロ不全を認めた自己免疫性リンパ増殖症候群1男児例

  現在3歳7ヶ月男児.1歳0ヶ月時に川崎病免疫グロブリン不応例の診断で当院紹介となった.来院時,川崎病症状の他に,肝脾腫,二系統血球減少,高AST/ALT/LDH血症,低補体血症,可溶性IL2受容体高値,抗ds-DNA抗体陽性,T細胞受容体αβ発現double negative T細胞の増多を呈し自己免疫性リンパ増殖症(ALPS)が疑われ精査・加療が行われた.FAS,FASLG,NRAS,KRASの変異は見られなかったが,エクソーム解析においてTNFAIP3(A20)のヘテロのナンセンスの変異を認めた.変異はde novoであり,患者細胞をもちいた機能解析の結果,NFB経路の活性化が認められ...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 39; no. 4; p. 421a
Main Authors 坂東, 由紀, 緒方, 昌平, 小川, 誠司, 宮野, 悟, 今井, 耕輔, 上野, 浩生, 吉田, 健一, 白石, 友一, 石井, 正浩, 村松, 秀樹, 森尾, 友宏, 竹内, 恵美子, 江波戸, 孝輔, 田中, 洋子, 千葉, 健一, 奥野, 友介, 小島, 勢二, 扇原, 義人, 林, 泰秀, 金兼, 弘和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2016
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.39.421a

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Summary:  現在3歳7ヶ月男児.1歳0ヶ月時に川崎病免疫グロブリン不応例の診断で当院紹介となった.来院時,川崎病症状の他に,肝脾腫,二系統血球減少,高AST/ALT/LDH血症,低補体血症,可溶性IL2受容体高値,抗ds-DNA抗体陽性,T細胞受容体αβ発現double negative T細胞の増多を呈し自己免疫性リンパ増殖症(ALPS)が疑われ精査・加療が行われた.FAS,FASLG,NRAS,KRASの変異は見られなかったが,エクソーム解析においてTNFAIP3(A20)のヘテロのナンセンスの変異を認めた.変異はde novoであり,患者細胞をもちいた機能解析の結果,NFB経路の活性化が認められ,TNFAIP3(A20)が責任遺伝子であると考えられた.児は経過中,自己免疫性肝炎,ネフローゼ症候群を併発し,ステロイドパルスを3クール施行された.現在はプレドニン,ミコフェノール酸モフェチル,タクロリムスにより加療されており肝機能障害およびネフローゼ症状は沈静化しているが,可溶性IL2受容体は依然高値を示しており治療に難渋している.TNFAIP3(A20)ハプロ不全によるALPS例として臨床経過を中心に報告する.  共同演者 東京医科歯科大学医学部 小児科  Tzuwen Yeh,朴 今花,星野顕宏,山下 基,南谷真衣,岡野 翼,高木正稔
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.39.421a