W1-3  RORγt陽性細胞による腸炎惹起性cTh1細胞の誘導

背景:我々はnaiveT細胞から直接分化するclassical Th1細胞(cTh1)とは異なるTh17細胞からTh17/Th1細胞を介し分化する腸炎惹起性alternative Th1細胞(aTh1)の存在を明らかにした.しかしcTh1細胞の腸炎惹起能は未だ不明であり,cTh1細胞の腸炎惹起性の有無とそのメカニズムについて検討した.方法:RORγt欠損マウス脾臓naiveT細胞(Ly5.1),野生型マウス脾臓naiveT細胞(Ly5.1)をRAG-2欠損マウスに各々移入,もしくは共移入した(Ly5.2-RAG,Ly5.1-RAG,Ly5.1/Ly5.2-RAG).また,in vitroで誘導...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 36; no. 5; p. 330a
Main Authors 金井, 隆典, 竹下, 梢, 佐藤, 俊朗, 林, 篤史, 久松, 理一, 水野, 慎大, 半田, 一己, 筋野, 智久, 三上, 洋平, 三枝, 慶一郎, 松岡, 克善
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2013
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.36.330a

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Summary:背景:我々はnaiveT細胞から直接分化するclassical Th1細胞(cTh1)とは異なるTh17細胞からTh17/Th1細胞を介し分化する腸炎惹起性alternative Th1細胞(aTh1)の存在を明らかにした.しかしcTh1細胞の腸炎惹起能は未だ不明であり,cTh1細胞の腸炎惹起性の有無とそのメカニズムについて検討した.方法:RORγt欠損マウス脾臓naiveT細胞(Ly5.1),野生型マウス脾臓naiveT細胞(Ly5.1)をRAG-2欠損マウスに各々移入,もしくは共移入した(Ly5.2-RAG,Ly5.1-RAG,Ly5.1/Ly5.2-RAG).また,in vitroで誘導したRORγt欠損Th1細胞をRAG-2欠損マウスに移入した.結果:Ly5.2-RAGは腸炎を発症せず少量のTh1細胞を認めるのみだったが,Ly5.1-RAG,Ly5.1/Ly5.2-RAGではTh1細胞の著明な増加を伴う腸炎を発症した.驚いたことに,Ly5.1/Ly5.2-RAGではLy5.1分画に加え,Ly5.2分画においてもTh1細胞の増加を認めた.さらにそのLy5.2分画を新たにRAG-2欠損マウスに移入したところ腸炎の発症を認めた.また,in vitroで誘導したRORγt欠損Th1細胞は野生型Th1細胞と同様に腸炎を発症した.結論:RORγt陽性細胞からの刺激が,RORγt非依存的cTh1細胞の腸炎惹起性獲得に重要である可能性が示唆された.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.36.330a