わが国におけるノボセブンの現況

周産期における出血は,わが国では現在でも妊産婦死亡の第1位である.大量輸液や輸血・新鮮凍結血漿投与・DIC対策を行っても止血せず,さらには種々の外科的処置を講じてもなお止血困難な症例では,適応外使用ではあるが,国内外で有用性が報告されている遺伝子組換え活性型血液凝固第Ⅶ因子(rFⅦa)製剤の投与を考慮する.具体的にはフィブリノゲン値100mg/dL,血小板数5万/μL以上に維持した上で,rFⅦa製剤90μg/kgを2~5分かけて静脈内に単回ボーラス投与する.投与後の動静脈血栓には特に注意し,抗線溶剤との併用は血栓症を助長する可能性があるので慎重に行う....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 35; no. 2; pp. 237 - 243
Main Author 小林, 隆夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2015
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.35.237

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Summary:周産期における出血は,わが国では現在でも妊産婦死亡の第1位である.大量輸液や輸血・新鮮凍結血漿投与・DIC対策を行っても止血せず,さらには種々の外科的処置を講じてもなお止血困難な症例では,適応外使用ではあるが,国内外で有用性が報告されている遺伝子組換え活性型血液凝固第Ⅶ因子(rFⅦa)製剤の投与を考慮する.具体的にはフィブリノゲン値100mg/dL,血小板数5万/μL以上に維持した上で,rFⅦa製剤90μg/kgを2~5分かけて静脈内に単回ボーラス投与する.投与後の動静脈血栓には特に注意し,抗線溶剤との併用は血栓症を助長する可能性があるので慎重に行う.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.35.237