「シミュレーションセンターの現状と課題」によせて

近年の医学教育におけるシミュレーションの導入には目覚ましいものがある. また, 近々開始される世界医学教育連盟(WFME)グローバルスタンダード2012年版準拠「医学教育分野別評価基準日本版」に基づいた認証評価では, 成果基盤型カリキュラムが求められることもあり, 今後, 卒前教育において今まで以上にシミュレーション教育が盛んに行われることが予想される. 現在までにも日本各地にさまざまなサイズやバックグラウンドを持つシミュレーションセンターが設立されているが, それぞれの母体や運営状況はさまざまである. 問題点を議論することで, 今後の国内のシミュレーション施設運営の参考になるのではないかと考...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 34; no. 2; p. 224
Main Author 五十嵐, 寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2014
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.34.224

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Summary:近年の医学教育におけるシミュレーションの導入には目覚ましいものがある. また, 近々開始される世界医学教育連盟(WFME)グローバルスタンダード2012年版準拠「医学教育分野別評価基準日本版」に基づいた認証評価では, 成果基盤型カリキュラムが求められることもあり, 今後, 卒前教育において今まで以上にシミュレーション教育が盛んに行われることが予想される. 現在までにも日本各地にさまざまなサイズやバックグラウンドを持つシミュレーションセンターが設立されているが, それぞれの母体や運営状況はさまざまである. 問題点を議論することで, 今後の国内のシミュレーション施設運営の参考になるのではないかと考え, 本シンポジウムを企画した. シンポジウムでは, 浜松医科大学, 名古屋市立大学, 島根大学, 獨協医科大学, 静岡医療センターの5施設から発表していただいた. 前二者はすでにある程度歴史のある施設である. 島根大学には地方医療再生の切り札として作られたセンターがあり, シミュレーション教育指導者養成修士課程という全国初の試みを行っている. また, 獨協医科大学には近い将来シミュレーションセンターが開設される予定である. 静岡医療センターは国立病院機構という基盤を元に, 地域の医療レベルを向上させるという使命を持ったシミュレーションセンターを持つ. それぞれの立場から, シンポジストにはなるべく論点を整理する目的で同じフォーマットに則って発表していただいた. 1. 設立の経緯(設立予算なども) 2. 所属(医学部, 病院, その他) 3. 組織図(構成スタッフなど) 4. 設立予算, 年間予算(消耗品など) 5. 学内(院内)利用状況 6. 外部者の利用(セミナーの開催の状況など) 7. その他(自由形式) このシンポジウムで議論された内容が, 既存の施設へはもとより, 今後新設される施設運営の一助になれば幸いである.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.34.224