生後2か月で発症したadenomyomaによる腸重積症の1例

急性胃腸炎として小児科に入院していた2か月の乳児が腸重積症と診断され,小児外科コンサルトとなった.6倍希釈ガストログラフィンによる高圧浣腸を行い回盲部より約30 cm口側までは造影剤により容易に描出されたが,圧をあげてもそれ以上描出されなかった.整復不能と判断し,緊急開腹術を施行した.回盲部から約30 cm口側に回腸-回腸型の腸重積症を認め,先進部に腫瘤を触知した.色調の悪い小腸を,腫瘤を含め約8 cm切除した.病理検査の結果,先進部の腫瘤はadenomyomaであった.adenomyomaによる小児腸重積は2016年までに本邦で16例報告されており,生後2か月での発症は最年少であった.文献的...

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Published in日本小児外科学会雑誌 Vol. 54; no. 1; pp. 108 - 110
Main Authors 久保田, 良浩, 永薮, 和也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児外科学会 2018
日本小児外科学会
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ISSN0288-609X
2187-4247
DOI10.11164/jjsps.54.1_108

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Summary:急性胃腸炎として小児科に入院していた2か月の乳児が腸重積症と診断され,小児外科コンサルトとなった.6倍希釈ガストログラフィンによる高圧浣腸を行い回盲部より約30 cm口側までは造影剤により容易に描出されたが,圧をあげてもそれ以上描出されなかった.整復不能と判断し,緊急開腹術を施行した.回盲部から約30 cm口側に回腸-回腸型の腸重積症を認め,先進部に腫瘤を触知した.色調の悪い小腸を,腫瘤を含め約8 cm切除した.病理検査の結果,先進部の腫瘤はadenomyomaであった.adenomyomaによる小児腸重積は2016年までに本邦で16例報告されており,生後2か月での発症は最年少であった.文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.54.1_108