乳腺内視鏡手術と3D-CT乳腺リンパ管造影<その2>3D-CT乳腺リンパ管造影によるセンチネルリンパ節生検
「はじめに」乳癌の縮小手術に貢献するため, われわれが開発・実施してきた二つの研究のうち, 前回は乳腺内視鏡手術について紹介したが, 2回目の今回は, センチネルリンパ節生検の精度向上を目的として開発した3D-CTリンパ管造影について紹介する. 3D-CTリンパ管造影は, 乳腺腫瘍からセンチネルリンパ節までのリンパ管を詳細に描出でき, 色素やアイソトープよりも正確なセンチネルリンパ節の同定を実現した. 早期乳癌において, 腋窩リンパ節転移の有無は, 予後を規定する因子であり, 今後の治療を決定するのに重要である. しかし, 腋窩リンパ節郭清は, 肩関節拘縮・上肢浮腫・麻痺などの合併症を起こしQ...
Saved in:
Published in | 日本医科大学医学会雑誌 Vol. 6; no. 3; pp. 111 - 117 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
2010
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 1349-8975 1880-2877 |
DOI | 10.1272/manms.6.111 |
Cover
Summary: | 「はじめに」乳癌の縮小手術に貢献するため, われわれが開発・実施してきた二つの研究のうち, 前回は乳腺内視鏡手術について紹介したが, 2回目の今回は, センチネルリンパ節生検の精度向上を目的として開発した3D-CTリンパ管造影について紹介する. 3D-CTリンパ管造影は, 乳腺腫瘍からセンチネルリンパ節までのリンパ管を詳細に描出でき, 色素やアイソトープよりも正確なセンチネルリンパ節の同定を実現した. 早期乳癌において, 腋窩リンパ節転移の有無は, 予後を規定する因子であり, 今後の治療を決定するのに重要である. しかし, 腋窩リンパ節郭清は, 肩関節拘縮・上肢浮腫・麻痺などの合併症を起こしQOLを悪化させる. センチネルリンパ節(SN)は, 腫瘍からのリンパ流を受ける最初のリンパ節と定義され1,2, SN生検によって, 腋窩リンパ節の転移を判断し, 腋窩郭清を省略するための情報を得ることができる. SNを検出する一般的方法は色素法3,4とアイソトープ法5,6である. |
---|---|
ISSN: | 1349-8975 1880-2877 |
DOI: | 10.1272/manms.6.111 |