輪状軟骨,気管切除,喉頭気管吻合により治療した気管挿管後気道狭窄の1例
23歳男性の膿胸に対して剥皮術を施行後,患側に肺水腫を併発した。経口気管挿管し陽圧呼吸を8日間行った。抜管後3週ころより呼吸困難,喘鳴出現し,次第に増悪した。断層写真にて声帯下方1.5cmの高さから始まる気道狭窄があり,内径は3mm,狭窄部長は3cmであった。挿管チューブのカブによる圧迫損傷と考えた。抜管後36日目に狭窄部切除を行った。内径4mmの気管チューブをスタイレットを入れて無理に押し込み,気道を確保した。襟状切開にて入り,気管を5軟骨輪,輪状軟骨を5mm切除し,輪状軟骨気管端々吻合を行った。縫合糸は3-0 Vicryl。術中換気は61/min O_2 jet insufflationに...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 10; no. 1; pp. 69 - 73 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
1988
The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.10.1_69 |
Cover
Summary: | 23歳男性の膿胸に対して剥皮術を施行後,患側に肺水腫を併発した。経口気管挿管し陽圧呼吸を8日間行った。抜管後3週ころより呼吸困難,喘鳴出現し,次第に増悪した。断層写真にて声帯下方1.5cmの高さから始まる気道狭窄があり,内径は3mm,狭窄部長は3cmであった。挿管チューブのカブによる圧迫損傷と考えた。抜管後36日目に狭窄部切除を行った。内径4mmの気管チューブをスタイレットを入れて無理に押し込み,気道を確保した。襟状切開にて入り,気管を5軟骨輪,輪状軟骨を5mm切除し,輪状軟骨気管端々吻合を行った。縫合糸は3-0 Vicryl。術中換気は61/min O_2 jet insufflationによった。舌骨上遊離,縦隔気管用手剥離を加えた。頸部前屈を2週間保持した。経口摂取は11病日より開始。はじめの1日間のみ軽度の嚥下困難を認めた。発声は全く正常。8カ月後の現在,吻合部の治癒は良好で,不良肉芽の増生は認めない。 |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.10.1_69 |