内視鏡による気道採取物の診断上の必須性を示す知見(第 13 回日本気管支学会総会特集)
経気管支肺生検(TBLB)と開胸生検との優劣が論じられているので, TBLBによる所見の臨床の場における生かし方の問題と, TBLBの必須性を考えさせる所見を中心課題とした。TBLBの有用性は末梢気道とその周囲の肺胞領域病変で, Markによる病理像解析の考え方に基づき他の臨床所見との関連を検討すると, 治療への有用性は75%には可能であった。肺の血管異常関連疾患では, 成人呼吸促迫症候群(ARDS)例の硝子膜形成像とPre-DICの像の検出において有用性が明らかであった。また, step sectionによりBOOPなどに特異的所見や臨床所見として検出困難な末梢気道感染症像を検出し得た。末梢...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 12; no. 6; pp. 565 - 568 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
1990
The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.12.6_565 |
Cover
Summary: | 経気管支肺生検(TBLB)と開胸生検との優劣が論じられているので, TBLBによる所見の臨床の場における生かし方の問題と, TBLBの必須性を考えさせる所見を中心課題とした。TBLBの有用性は末梢気道とその周囲の肺胞領域病変で, Markによる病理像解析の考え方に基づき他の臨床所見との関連を検討すると, 治療への有用性は75%には可能であった。肺の血管異常関連疾患では, 成人呼吸促迫症候群(ARDS)例の硝子膜形成像とPre-DICの像の検出において有用性が明らかであった。また, step sectionによりBOOPなどに特異的所見や臨床所見として検出困難な末梢気道感染症像を検出し得た。末梢小病変の解析では, TBLBによる所見陰性例では, 内視鏡とカテーテルによる採取物ないし病変に最も近接した部よりのMini BAL採取から特異的検査所見を得られるように努力し, 開胸肺生検を要しなかった例を経験している。 |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.12.6_565 |