Duchenne muscular dystrophy患者の経時的死因分析

当院を受診し1977~2010年に死亡したDuchenne muscular dystrophy患者の死因を分析した.1984年に開始した呼吸管理や,1990年代以降の心保護治療をふくむ積極的加療の結果,平均死亡年令は1984年以前の18.9歳が2004年以降は31.1歳に延長し,さらなる延命が予測される.呼吸管理の長期化や在宅人工呼吸療法患者の増加から,二次性肺障害予防とリスクマネジメントが重要になっている.約半数を占めていた呼吸不全死は激減し,心不全が主要死因となった.心保護治療の進歩で拡張型心筋症によるうっ血性心不全が減少したが,循環不全による腎不全が出現しており,心腎連関への配慮が重要...

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Published in臨床神経学 Vol. 51; no. 10; pp. 743 - 750
Main Authors 佐古田, 三郎, 齊藤, 利雄, 神野, 進, 松村, 剛, 藤村, 晴俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2011
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.51.743

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Summary:当院を受診し1977~2010年に死亡したDuchenne muscular dystrophy患者の死因を分析した.1984年に開始した呼吸管理や,1990年代以降の心保護治療をふくむ積極的加療の結果,平均死亡年令は1984年以前の18.9歳が2004年以降は31.1歳に延長し,さらなる延命が予測される.呼吸管理の長期化や在宅人工呼吸療法患者の増加から,二次性肺障害予防とリスクマネジメントが重要になっている.約半数を占めていた呼吸不全死は激減し,心不全が主要死因となった.心保護治療の進歩で拡張型心筋症によるうっ血性心不全が減少したが,循環不全による腎不全が出現しており,心腎連関への配慮が重要である.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.51.743