RA 患者における気管支 : 肺胞洗浄液を用いた肺病変の検討

リウマチ肺の発症および進展機序を明らかにするため慢性関節リウマチ(RA)患者47例について, 胸部X線上の異常陰影の程度から4段階に分類し, BALF細胞成分とBALF液性成分の変動, 同時に採取された経気管支肺生検(TBLB)組織所見, および肺機能データを比較検討した。その結果, RAでは胸部X線にて異常を認めない早期からほぼ全例でリンパ球浸潤を伴う胞隔炎を伴っており, 初期の病変形成におけるリンパ球の関与の重要性が確認された。一方胸部X線で肺病変が確認される進展例では, 好中球, マクロファージの増加とエラスターゼ活性の増加がみられ, また好中球の増加例ほど肺病変は進行性であったことから...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 13; no. 1; pp. 13 - 20
Main Authors 佐藤, 篤彦, 山崎, 晃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1991
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.13.1_13

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Summary:リウマチ肺の発症および進展機序を明らかにするため慢性関節リウマチ(RA)患者47例について, 胸部X線上の異常陰影の程度から4段階に分類し, BALF細胞成分とBALF液性成分の変動, 同時に採取された経気管支肺生検(TBLB)組織所見, および肺機能データを比較検討した。その結果, RAでは胸部X線にて異常を認めない早期からほぼ全例でリンパ球浸潤を伴う胞隔炎を伴っており, 初期の病変形成におけるリンパ球の関与の重要性が確認された。一方胸部X線で肺病変が確認される進展例では, 好中球, マクロファージの増加とエラスターゼ活性の増加がみられ, また好中球の増加例ほど肺病変は進行性であったことから, これらが線維化の進展に関与している可能性が示唆された。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.13.1_13