術前FOLFOX6+Cetuximab療法が著効し根治手術を施行しえた直腸癌同時性多発肝転移の1例
今回われわれは術前FOLFOX6+Cetuximab(Cmab)療法が著効し,根治切除を施行しえた直腸癌同時性多発肝転移の1例を経験したので報告する.症例は58歳男性で,倦怠感を主訴に来院した.腹部CT検査で多発肝腫瘍と下部消化管内視鏡検査で直腸に2型病変を認めた.生検で中分化型管状腺癌,病期はSE,N2,H3(GradeC),P0,M0,Stage IVであり術前化学療法の方針とした.腫瘍はK-RAS遺伝子野生型であり,RegimenはFOLFOX6+Cmab療法の方針とし,計4コース施行した.化学療法後,肝転移巣の著明な縮小を認めPRと判定,原発巣を含め治癒切除可能と判断した.腹腔鏡補助下...
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| Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 65; no. 7; pp. 382 - 387 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本大腸肛門病学会
2012
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
| DOI | 10.3862/jcoloproctology.65.382 |
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| Summary: | 今回われわれは術前FOLFOX6+Cetuximab(Cmab)療法が著効し,根治切除を施行しえた直腸癌同時性多発肝転移の1例を経験したので報告する.症例は58歳男性で,倦怠感を主訴に来院した.腹部CT検査で多発肝腫瘍と下部消化管内視鏡検査で直腸に2型病変を認めた.生検で中分化型管状腺癌,病期はSE,N2,H3(GradeC),P0,M0,Stage IVであり術前化学療法の方針とした.腫瘍はK-RAS遺伝子野生型であり,RegimenはFOLFOX6+Cmab療法の方針とし,計4コース施行した.化学療法後,肝転移巣の著明な縮小を認めPRと判定,原発巣を含め治癒切除可能と判断した.腹腔鏡補助下低位前方切除術および腹腔鏡補助下肝右葉切除術を同時に施行した.本症例のようなK-RAS遺伝子野生型の切除不能肝転移を有する大腸癌への術前FOLFOX6+Cmab療法は,治療戦略の1つとして有用と考えられた. |
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| ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
| DOI: | 10.3862/jcoloproctology.65.382 |