気管気管支結核症 : 結核性気管気管支狭窄の治療を中心に
1989年から95年までの7年間に, 気管気管支結核症と診断された204症例を対象に, 結核性気管気管支狭窄に焦点を合わせ, 狭窄に対する無治療群(A群)142例, 治療群(B群)62例に分け, 臨床的背景因子ならびに治療成績を比較検討した。発症時年齢は, A群がB群に比較し約14歳高齢であった。発見動機は, 両群ともに2/3の症例が自覚症発見であった。発見時期は, 抗結核化学療法の治療前あるいは治療中の症例がA群95例(67%), B群10例(16%)であったのに対し, 結核治療完了後の晩期発見はA群3例(2%), B群28例(45%)であり, A群での発見・診断は発病後比較的早期になされた...
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| Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 23; no. 4; pp. 368 - 374 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2001
The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI | 10.18907/jjsre.23.4_368 |
Cover
| Summary: | 1989年から95年までの7年間に, 気管気管支結核症と診断された204症例を対象に, 結核性気管気管支狭窄に焦点を合わせ, 狭窄に対する無治療群(A群)142例, 治療群(B群)62例に分け, 臨床的背景因子ならびに治療成績を比較検討した。発症時年齢は, A群がB群に比較し約14歳高齢であった。発見動機は, 両群ともに2/3の症例が自覚症発見であった。発見時期は, 抗結核化学療法の治療前あるいは治療中の症例がA群95例(67%), B群10例(16%)であったのに対し, 結核治療完了後の晩期発見はA群3例(2%), B群28例(45%)であり, A群での発見・診断は発病後比較的早期になされた。これに対しB群の発見時期の遅れは, 結核性気管気管支狭窄が化学療法後の瘢痕化治癒過程で進行したことを示唆するものと考えられる。また発見時の胸部X腺像では, 無気肺や閉塞性肺炎等の二次性変化が, A群で142例中42例(29.6%)であったのに対し, 狭窄治療B群では62例中36例(58%)と高率で, 狭窄の治療を必要とした症例は, 発見時に狭窄が高度進行状態であったものが多かった。治療成績は, A群で最終の内視鏡検査あるいは胸部X線で改善が認められたもの70例, 進行15例, 不変12例, 死亡1例と不明39例であった。一方狭窄治療B群では, 気管支鏡下治療で10例中5例(50%)に, また外科療法では, 52例中手術死亡の2例を除く50例(96.2%)が症状等の改善が得られ社会復帰した。なお外科治療症例52例中38例(73.1%)に, 機能温存を図る気道再建術が行われた。 |
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| ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI: | 10.18907/jjsre.23.4_368 |